森の木々の下の土はふわふわと柔らかく、懐かしい土の香りがします。土の表面には枯れ葉が深く堆積し、その下には腐植土の層があり、小動物や昆虫、キノコ、微生物を育んでいます。ティースプーン1杯の土中に1億といわれる数の微生物が、バランスを取りながら盛んに活動していて、土を柔らかく肥沃なものにし、植物を有害なカビや細菌から守っているのです。さらにその下の層の土は水を貯える機能を持っています。
自然農法は、このような森の土に習い、健康な土作りを大切にしています。「草ものは草で育てよ」のことばの通り、稲わらや、草や枯れ葉で作る自然堆肥などを肥料にします。自然堆肥は、完熟するまでの発酵過程で60℃以上の高温に達するため、害虫の卵や病原菌、雑草の種などは死滅し、作物の健康な生育に有益なバクテリアだけが残ります。こうして、大自然の営みを生かした農法が自然農法です。
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