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新たまねぎ、新じゃがいも(長崎県口之津町)
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自然食品の紹介
新たまねぎ、新じゃがいも(長崎県口之津町)長崎県有機農業研究会

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長崎県有機農業研究会 岩永さん、久間さん
長崎県有機農業研究会 岩永さん、久間さん
新じゃがいも
独自の肥料で作る自慢の有機野菜

長崎県島原半島。最南端の口之津町は、かつて南蛮貿易で栄えた港町だ。天草諸島を望む海に面した急峻な斜面には「蛇のごと」細い段々畑が続く。几帳面に耕された畑では、タマネギやジャガイモが春の収穫時期を迎えていた。

この地で、有機栽培に取り組んできた長崎県有機農業研究会(会員約70人)のタマネギ畑は、雑草まで青々として勢いがいい。タマネギ部長の溝田秋夫さん(55)も、「除草剤をまかんから、『どこにタマネギ生えとっと?』というくらい、草が多なりますけんね」と苦笑する。「だけど味は有機がよかですよ。刺激臭や辛みが少なくて甘みがあるけん、水にさらさんでも生で食べられます」と自慢するのは、会長の久間清一さん(50)。さっそく収穫したばかりの新タマネギをかじってみた。なるほど甘くてみずみずしい。

温暖な気候、水はけのよい段々畑に重粘土質の赤土、そして研究会独自のボカシ肥や個々の農家が工夫した堆肥をふんだんに与えている。だからジャガイモも、身がしまってデンプン質が多いものになると、ジャガイモ部長の、松尾和昭さん(54)は胸を張る。

 

「有機を追求していくのは並大抵のことではない。いくら積み上げても、毎年ゼロになる危険がある。ゼロからの出発は有機を選んだ者の宿命です。ポリシーがないと続けられませんね」と松尾さん。研究会の誕生は二十年前。農薬を多用する慣行栽培に危機感を抱いた青年10人ほどが集まり、会を立ち上げた。"環境にできる限り負荷を与えることなく、自然を大切にする、明るく希望のある農業の建設を目指す"。宣言文には、誇らしげにこう記されている。だが発足当時は、周囲から異端児とみなされ、販路も生協や消費者団体を回って独自に開拓していくしかなかったという。

 

会の活動を理解してもらうために、消費者との交流を積極的に行ってきた。作付けや収穫を体験してもらうだけでなく、収穫後の畑にヒマワリの種を植え、花を楽しんだ後は、緑肥として畑にすき込む、といった試みも好評だ。今年2月、有明海の漁師から、「色落ちしたノリの廃棄に困っとっと。堆肥に使えんやろか?」と相談をもちかけられた。数名の会員が2トントラック4台分のノリを持ち帰り、牛糞やワラなどを混ぜ込んで堆肥にしたという。こうしたネットワークは、異端児ゆえに、自ら切り開かざるを得なかったものだ。それが今、研究会を支える財産になっている。

「最近は、有機は高く売れるという発想の人もおるけど、経済性でやり続けることはできません。原点は心と心のつながり。 有機は、味の中に思いやりの気持ちが入っているっていうことです」と、松尾さんは話している。

新たまねぎ 岩永さん、久間さん
有機栽培農産物

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