太陽食品 TOPページへ

有機栽培の野菜・そら豆
space
ソラ豆(鹿児島県吹上町) 寺原良弘さん
-----

薄緑のさやがピンと上を向いて並ぶソラ豆鹿児島はソラ豆の主産地。南国の日差しを浴びて、みずみずしい薄緑のさやがピンと上を向いて並ぶ。さやが空に向かって伸びるので「空豆」と名付けられたという説もうなずける。そのさやを握って豆の入りを確かめながら、寺原良弘さん(58)は一カ所から4〜5本出ているさやを、1〜2本に間引いていく。

「いい豆にするためには、花やさやを間引いたり、脇芽を取ったりせねばなりません。伸び過ぎないようしんを摘んだり、茎が倒れないよう周囲にロープを張る必要もある。手のかかる作物です」

そう言いながらも、寺原さんはにこやかだ。自家製堆肥を使い、無農薬・無化学肥料の自然農法を実施している寺原さんの畑は、土が黒々としており、足を踏み入れるとふかふかだ。周囲には、チョウやハチが飛び交っている。「土も環境も生命力にあふれているでしょう。ここにいると気分もいいですね」

 
寺原良弘さん・農園にて寺原さんは、代々続く農家の生まれ。鹿児島市内にあるデパートに勤務の傍ら、農業を続けている。畑がある場所は、鹿児島県南西、東シナ海に画した吹上浜のそば。自宅から車で約30分かけて畑に通い、出勤前の早朝や、週2日の会社の休みを農作業に充てている。子供のときは、学校から帰宅するとまず田畑を手伝う毎日で、「炎天下の作業が辛く、農業は絶対に継ぎたくないと思っとったですよ」

その一方で、母親の病気などから、健康の大切さを感じてもいた。そんなとき、土を生かし、土の力によって作物を育てることを基本とする自然農法に出会った。

「健康を守るのは、やはり自然に根ざした安全な食べ物」と、昭和42年から自然農法を始めたが、農薬も化学肥料も使わないやり方に、当初は両親からも変人扱いされたという。しかし、「健康第一と頑張っているうち、自然農法の作物のおいしさに周囲の見る目が変わり、土作りの研究を重ねて、少なかった収穫量も上がっていった。

現在は米ぬかや油かす、牛ふんに、周辺の山林の土を加えて堆肥を作る。山林の土に住む土着菌の作用で発酵が進み、より力のある堆肥になるそうだ。約半年かけて発酵熱成させたこの堆肥で、ソラ豆のほか、米、ゴボウ、サツマイモ、カボチャなどを生産。自然農法の生産者グループに所属し、自然農法の普及にも力を入れている。

 
寺原良弘さん・農園にて「ソラ豆は比較的、病害虫に強い作物ですが、自然農法で育てると丈夫で病虫害がつきにくくなる。自然農法の土にはミミズや微生物がいて、それらが作物の成長を助けてもくれます。豆はやや小ぶり。でも、味も香りもよく、日持ちもいいと評判です」
サラリーマンとの両立は大変だが、消費者の声を励みに、農作業を続ける毎日だ。

ソラ豆は下の方から花が咲き、さやが育っていく。開花から収穫までは約1力月で、一番下のさやは、もう少しすれば収穫できるとのこと。4月の終わりから5月初旬が出荷のピークだ。

有機栽培農産物

Copyright © TaiyouShokuhin Corporation. All Rights Reserved.